新型コロナウイルスの影響で、車検の有効期限は延長される？

■不要不急の外出自粛…車検はどうしよう？
新型コロナウイルスの予防には、マスクをしたり、人との距離をとったりするなどの対応が効果的であるとされています。感染拡大を止めるため、日本では史上初の「緊急事態宣言」が出され、不要不急の外出自粛が求められました。

では、「不要不急」って何なのでしょうか。私の場合、緊急事態宣言中の2020年5月に、がん検診の予約が入っていました。中には「その時期に車検を受ける予定になっていた」「運転免許更新の時期だった」などの人もいたでしょう。
がん検診や車検などは別に「不要不急」ではないかもしれません。でも、人の集まるところに行ってウイルスに感染するのはこわいですよね。
結局私は、病院側に相談し、予定通りにがん検診を受けました。でも、車検や免許更新の場合はどうなのでしょうか。「受けたくても受けられない」という状況になる可能性は、ゼロではありません。万が一に備えて、詳しく調べてみました。

■車検の有効期限、延長はできないの？
家庭用の普通自動車の場合、車検の有効期限は2年ごと（初回のみ3年間）と決められています。では、「事情があって、有効期限までに車検を受けられない」というときは、車検の有効期限を延長できるのでしょうか。

調べてみたところ、車検の有効期限は自分の都合で延長することはできないようです。例えば、「車検の時期に長期出張がある」などの場合でも、車検の有効期限は延ばせません。このような場合は、長期出張に行く前に車検を行うなどの対応が必要となります。

■非常時には車検の有効期限が延長されることも！
自分の都合で車検の有効期限が変えられないのは仕方がありません。でも、今回の新型コロナウイルスは不可抗力。いくら車検を受けようと思っても、車検業者が休業しているのでどうしようもないですよね。

実は、このような非常時には、特例的に車検の有効期限が延長されることがあるようです。例えば、過去には東日本大震災のときや豪雨や台風で大きな被害を出したときなどに、被災した地域での車検の有効期限を延長したことがあるとのことでした。

今回の新型コロナウイルス流行の際も、車検の有効期限を延長するという措置がとられました。このことに関する国土交通省の最初の報道は2020年2月末。「2020年2月28日から3月31日までに有効期限が満了する車の車検の有効期限を4月30日まで延長する」という旨の発表でした。
その後、4月に緊急事態宣言が発出されたことを受け、特別措置の対象となる車が「2020年5月31日までに車検満了日を迎えるもの」、延長後の車検の有効期限が「2020年6月1日」に再延長されました。さらに、5月にはこれがさらに再々延長となり、最終的には有効期限が「2020年7月1日」となりました。
なお、これに伴い、自賠責保険の手続き期限も猶予されています。

imarina

ライター。1987年生まれ。広島大学教育学部卒業後、教育現場で勤務しながらフリーライターとして旅行、暮らしなどに関する執筆を手がける。
趣味は旅行とアウトドア。現在の愛車は、トヨタ・パッソ。