タイヤの「M＋S」というマークにはどんな意味がある？

M＋Sタイヤは車の用途や目的によっては、ごく優れた性能を発揮します。まずは、M＋Sタイヤへの理解を深めていきましょう。

■M＋Sタイヤはオールシーズンタイヤという意味

タイヤの側面（サイドウォール）を見ると、小さく「M＋S」と刻印されています。M＋SはMud and Snow（泥と雪）の略称で、泥や雪での走行性能を備えているという意味です。通常のタイヤよりも溝が太く、悪路に強い特徴を持ちます。本来、M＋Sタイヤは泥雪専用のタイヤを表すものでした。しかし現在では、幅広い気候条件でも走行できるオールシーズンタイヤを示す意味でも使われます。他にも、SUV用のタイヤ、スタッドレスタイヤにもM＋Sマークが刻印されています。悪路の走行を重視したオールテレーンタイヤ（A／T）や、マッドテレーンタイヤ（M／T）に「M＋S」と刻まれていることもあります。

M＋Sタイヤは数多くの場面で力を発揮します。メリットを知り、注意点も把握しましょう。

■メリット1：多機能性

M＋Sタイヤは、悪路や雪道のような悪条件下でも、優れた走行性能を発揮します。ノーマルタイヤでは走ることができない降雪地域や、オフロード環境でのドライビングに適しています。
■メリット2：優れたトラクション性能

特殊なトレッドパターン（溝、切り込み）で、溝が深いことから悪条件下でも優れたグリップ力を発揮し、車両のトラクション（牽引力）を向上させます。雪道や濡れた路面でも滑りにくくなり、車両の安定性を確保します。

■メリット3：高い制動性能

優れた制動性能を持ち、悪条件下での急ブレーキや減速時の制動距離が短くなる効果があります。ノーマルタイヤで走るのが難しい路面でも、突発的な危険を回避し、衝突を予防する能力を備えています。

■メリット4：耐久性

固いゴムと、強化されたサイドウォールを備え、過酷な路面状況にも耐える力を持ちます。ノーマルタイヤと比べても寿命が長く、最後まで安定した性能を発揮します。

■メリット5：オールシーズン対応

悪路や雪道だけでなく、乾いた道路状況でも優れた性能を発揮します。普通のタイヤでは冬になると夏用タイヤからスタッドレスタイヤに交換する必要がありますが、この手間、費用を省くことができます。タイヤの本数が減ることは、タイヤの置き場に困っている方にとってメリットと言えるでしょう。

■M＋Sタイヤを装着する注意点とは？

M＋Sタイヤは、スタッドレスタイヤやチェーンと比べて、極端な冬の条件下での性能が劣ることに注意しましょう。雪道や凍結した路面を走行するのであれば早めにスタッドレスタイヤに交換するか、チェーンを用意しましょう。