タイヤ販売・取付
2023.08.14
セミスリックタイヤの特徴を紹介
セミスリックタイヤとはどんなタイヤ?
セミスリックタイヤとは、どんなタイヤのことでしょうか?車検に通るタイヤなのでしょうか?本記事では、通称「Sタイヤ」ともいわれるセミスリックタイヤの、使用用途や特徴などを解説します。
セミスリックタイヤの特徴とは?
レースで使用するスリックタイヤは、公道での使用が認められていません。しかし、セミスリックタイヤであれば、一般道での使用が認められています。車検に対応しているセミスリックタイヤもありますが、スリックタイヤとの線引きが難しいタイヤの種類の一つです。ここでは、セミスリックタイヤの特徴を解説します。
■セミスリックタイヤの特徴
セミスリックタイヤは、競技用のスリックタイヤを公道走行可能な状態にしたタイヤで、スポーツモデルの車に使用されます。一般的なラジアルタイヤよりも溝が少なく、路面との接地面が多くなるため、高いグリップ力を発揮します。セミスリックタイヤには、公道走行を目的としたモデルに加えて、ジムカーナやサーキット走行を目的としたモデルもあります。使用する路面温度に合わせてソフト、ミディアム、ハードから選べるのもセミスリックタイヤの特徴です。一方、走行性能に特化した性能があるものの、一般的なラジアルタイヤよりも静粛性が劣ることや、濡れた路面での滑りやすさがデメリットとなります。セミスリックタイヤのメリットとデメリットについては、後ほど詳しくご紹介します。
セミスリックタイヤの使用用途とは?
スポーツタイヤと、スリックタイヤの間に位置するセミスリックタイヤは、どんなシチュエーションで使用するのでしょうか?ここでは、セミスリックタイヤの使用用途について解説します。
■セミスリックタイヤの使用用途
セミスリックタイヤは、車の運動性能を追求するために開発された、競技用タイヤに近い特徴があります。そのため、公道での使用よりも、サーキットでの高速走行や、ドリフト走行などのパフォーマンス重視の使用に特化しています。セミスリックタイヤが公道での使用を認められていたとしても、路面状況によっては安全性を損なう可能性があります。
■セミスリックタイヤの使用上の注意
公道での使用が認められたセミスリックタイヤでも、サーキットを走行後などは、十分に冷ました状態で規定の空気圧に調整する必要があります。タイヤが熱い状態で空気圧チェックを行うと、実際の空気圧よりも高い値が表示されます。また、冬場の低温下やウェット路面を走行する場合は、通常のタイヤよりも滑りやすいため、スピードを十分に落として走行しましょう。次の項で、セミスリックタイヤを使用するメリットとデメリットを詳しく解説します。
セミスリックタイヤのメリットとデメリット
セミスリックタイヤの装着を検討している方は、メリットとデメリットをよく確認しておきましょう。メリットだけでなく、デメリットにも目を向けることで、失敗しないタイヤ選びができます。特に、スポーツタイヤとセミスリックタイヤのどちらを選ぶかについて悩んでいる方は必見です。
■メリット:優れた運動性能
セミスリックタイヤは、サーキットでの使用も想定しているため、乾いた路面での高いグリップ力や、ハンドリング性能の向上に期待できます。高いグリップ力は、高速コーナーで強力なG(重力)が掛かっても滑ることなくグリップします。また、通常のタイヤよりも接地面積が広いため、連続コーナーでも軽快な操舵性を実現します。
■デメリット:寿命の短さ
セミスリックタイヤは、一般的なタイヤよりも溝が少ないため、寿命が短くなります。特に、公道以外にサーキット走行も行うケースですと、さらに摩耗が早くなります。
■デメリット:濡れた路面や雪道での制動性能の低下
乾いた路面での運動性能に優れるセミスリックタイヤですが、濡れた路面では制動性能が低下します。また、濡れた路面でスピードを出すと、ハイドロプレーニング現象を引き起こす可能性が高くなります。ハイドロプレーニング現象は、タイヤと路面との間に水が入ることで水の膜ができ、摩擦力が失われて、車の制御ができなくなる現象のことです。セミスリックタイヤは溝が少ないという特徴があるため、この現象が起きやすいといえます。もちろん、雪や氷上での走行は滑りやすく大変危険ですので、冬場の使用は避けましょう。
■デメリット:コンフォート性能の低下
セミスリックタイヤは、一般的に硬いゴムを使用していることから、乗り心地は悪くなります。硬いタイヤは路面の凹凸を拾いやすいため、振動として車内に伝わります。セミスリックタイヤは運動性能を重視しているため、コンフォート性能を犠牲にしてしまいます。
まとめ
セミスリックタイヤは、スポーツモデルの車など、走りを重視した車におすすめです。ただし、公道での使用は大きなデメリットを伴うことを覚えておきましょう。タイヤに関するお悩みは、コスモのサービスステーションにご相談ください。
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筆者プロフィール
moto
1986年生まれ。自動車整備学校を卒業後、板金屋を経て地元の整備工場で整備士として働く。車業界歴は7年。国内外の乗用車からカスタムカーまで、様々な車を整備してきた知識と経験が強み。整備士を離れた現在は、ライターとして中古車の選び方などを中心にメディアへ出稿。週末は子供と一緒に釣りやアウトドアを楽しんでいます。




