ローン中の車を売ることってできるの？　売却の手順は？

■売る前に車の所有者を確認しよう
ローン中の車を売るときは、車の所有者が誰になっているかによって手順が異なります。物を売却する権利を持つのは、その物の所有者だけです。もし所有者が自分でない場合は、売却の前に名義変更が必要となります。「自分の車なのだから、所有者はもちろん自分のはず」と思うかもしれませんが、ローンで購入した車の場合は所有者がディーラーやローン会社になっていることもあります。車を売る前に、まずは車の所有者を確認しましょう。

車の所有者は、車検証から確認することができます。車検証の「所有者の氏名または名称」の欄をチェックしてみてください。

■自分や家族の名義の車を売る場合
車の名義人が自分の場合は、名義変更せずに、そのまま車を売ることができます。ただし、ローン会社によってはローンを完済するまで車を売ることを禁止していることもあるそうなので、売却前に車を売ってもよいか確認しておくようにしましょう。なお、ローン中の車を売る場合、車の売却後もローンを返済し続ける必要があります。

家族名義の車は、本人の同意があれば車を売ることができます。この場合は、車の売却時に名義人の「委任状」と「印鑑証明書」が必要です。

■自分以外の名義の場合
車の名義人がディーラーやローン会社の場合は、車を売却する前に自分名義に変更します。ただし、名義変更をするためには、ローンを完済しなくてはなりません。
「まとまったお金がないから、残りのローンをまとめて返すなんて無理」と不安になる人もいるかもしれませんが、車の売却額をローンの返済額に充てることもできるのでご安心ください。具体的には、以下の流れで手続きが進みます。
（1）中古車買取店に車の買取を依頼する。このとき、「ローンが残っている」ということを伝えておく。
（2）車の売却額で中古車買取店が残りのローンの返済を代行する。
（3）中古車買取店が車の名義変更を代行する。
（4）車の売却額からローンの残債を差し引いた分のお金が振り込まれる。
このように、車の名義変更などの手続きは、中古車買取店が代行してくれることが一般的です。

■車の売却額がローンの残債を下回る場合はどうなる？
車の売却額がローンの残債を上回っていれば、車の売却額でローンを完済することができます。ですが、車の売却額がローンの残債を下回る場合は、不足する分のお金を支払わなくてはなりません。

この場合の支払い方には、以下の選択肢が考えられます。
・残りのローンを現金で支払って完済する
・新たにローンを組んで、残りのローンを完済する
また、車を買い替える場合は、新しい車のローンに残りのローンを上乗せするという方法もあります。ご自身に合った返済方法を選びましょう。

imarina

ライター。1987年生まれ。広島大学教育学部卒業後、教育現場で勤務しながらフリーライターとして旅行、暮らしなどに関する執筆を手がける。
趣味は旅行とアウトドア。現在の愛車は、トヨタ・パッソ。