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自動車保険の「強制保険」って何? どんな補償があるの?

 
自動車保険の「強制保険」って何? どんな補償があるの?

強制保険ってどんなもの?

「強制保険」って何かご存じでしょうか。自動車保険のうち「強制保険」の補償内容や加入方法、任意保険の必要性について調べてみました。

目次

強制保険とは?

強制保険とは?

■自動車保険には「強制保険」と「任意保険」がある
テレビを見ていると、毎日のように交通事故のニュースを目にします。記録によると、2010年からの10年間は、平均で年間約55万件の交通事故が発生しており、それは約1分に1回事故が起きているという計算になります。こうして見てみると、想像以上の頻度で交通事故が起きていることに驚きます。

車での交通事故に備えるには、自動車保険に加入することが重要です。ところで、自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。このうち、自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれ、すべての車に加入が義務づけられています。強制保険に加入していない車は公道を走行することができませんし、もし保険に未加入の状態で車を運転すると法律違反となってしまいます。

■強制保険がある理由
なぜ、自動車保険には強制保険があるのでしょうか。強制保険の意義とは何なのでしょうか。
調べてみると、強制保険は、交通事故の被害者を救済するためにあるものだということがわかりました。交通事故で相手にケガや後遺障害を負わせたり死亡させたりしてしまったら、加害者は損害賠償責任を負います。ですが、損害賠償金は高額になることも多く、加害者に支払い能力がないと、被害者は損害賠償を受けることができません。そういった事態を防ぐため、すべての車は強制保険に加入し、万が一の事故の際に被害者に損害賠償金が支払われるようになっています。

■強制保険の契約方法
「これまで、強制保険の加入の手続きを行ったことがない」「自分の車も、ちゃんと強制保険に加入しているのだろうか…?」と不安な方もいるかもしれません。そんな方でも、ほぼ確実に強制保険に加入しているはずなのでご安心ください。車の購入時に、ディーラーなど車の販売店で強制保険の加入を代行してくれているはずです。なお、強制保険は、車検ごとに更新するのが一般的。車検の際は、車検業者が強制保険の更新を行ってくれるでしょう。

強制保険の加入は、車の販売店や車検業者に任せることもできますが、損害保険会社の窓口などで自分で契約することも可能です。強制保険の保険料はどの保険会社で加入しても同じですが、「知り合いの保険会社で加入したい」などの理由がある場合は、希望する損害保険会社の窓口で手続きを行ってください。

ちなみに私も、以前、自分で強制保険の手続きをしたことがあります。窓口で「強制保険の更新をしたい」と伝えると、スタッフの方が手続きを進めてくれたので、スムーズに契約できました。手続きが完了すると、「自賠責保険証明書」が交付されます。「自賠責保険証明書」は、車の運転時は常に携帯しておかなくてはなりませんので、車検証と一緒に車のダッシュボードの中に保管しておきましょう。

強制保険に加入していても任意保険は必要?

強制保険に加入していても任意保険は必要?

■強制保険の補償内容
強制保険は、交通事故の被害者を救済することを目的とするもの。そのため、強制保険の補償内容は、事故の相手のケガや死亡に対するものとなっています。
強制保険の具体的な補償内容は次の通りです。
・事故で相手を死亡させたときの補償(限度額:3000万円)
・事故で相手をケガさせたときの治療費や休業による損害を補償(限度額:120万円)
・事故で相手に後遺障害を負わせたときの補償(障害の程度により75万円~4000万円)

■足りない補償は任意保険で補う
強制保険の補償は、事故の相手の死亡やケガに対してのみ。事故で壊れた車などの物や自分自身、同乗者に対する補償は一切ありません。しかも、強制保険の補償額にも限度があり、それを超える損害については補償されません。例えば、強制保険では、事故で相手が後遺障害を負ったとき、補償額は最大でも4000万円。ですが、実際の交通事故では、1億円を超える損害賠償が請求されるケースもあるといいます。

このように、強制保険の補償内容は、決して十分とはいえません。そのため、任意保険に加入して、足りない補償を補う必要があります。任意保険なら、「対人賠償(事故の相手をケガや死亡させたときの補償)」の限度額を「無制限」に設定することができるので安心です。また、事故の相手の車などの修理費を補償する「対物賠償」や、自分自身や同乗者のケガを補償する「人身傷害」、自分の車の修理費を補償する「車両保険」などもあります。車を所有するようになったら、強制保険だけでなく任意保険にも加入して、もしもの事故に備えましょう。

まとめ

まとめ

強制保険は、交通事故の被害者を救済するため、すべての車に加入が義務づけられている自動車保険です。強制保険で補償されるのは、事故の相手の死亡やケガに対してのみです。足りない補償を補うために、任意保険にも加入することをおすすめします。

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筆者プロフィール

筆者プロフィール

imarina

ライター。1987年生まれ。広島大学教育学部卒業後、教育現場で勤務しながらフリーライターとして旅行、暮らしなどに関する執筆を手がける。
趣味は旅行とアウトドア。現在の愛車は、トヨタ・パッソ。

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