タイヤ販売・取付
2021.09.13
スタッドレスタイヤは夏に使用してもOK?素朴な疑問に答えます
スタッドレスタイヤを夏に使用するときの注意点とは?
冬に履き替えたスタッドレスタイヤのまま、夏を迎えてしまう人は少なくありません。夏にスタッドレスタイヤを履き続けると、どんな影響があるのでしょうか?夏にスタッドレスタイヤを使用する注意点を解説します。
夏にスタッドレスタイヤを使用するデメリットはある?
「冬に交換したスタッドレスタイヤをそのまま使用する」というシーンを、整備士時代に何度も見てきました。「交換するのが面倒くさい」「どうせまた冬に交換するから」という理由で、夏でもスタッドレスタイヤを使用する方は多いです。しかし、雪のないシーズンにスタッドレスタイヤを使用するのは、本当に問題ないのでしょうか?スタッドレスタイヤを夏に使用するデメリットを、次の項で詳しく解説します。
■燃費が悪くなる
スタッドレスタイヤを使用する最大のデメリットは、燃費性能の悪化です。スタッドレスタイヤはゴムが柔らかく、接地面も多くなるため、タイヤの転がり抵抗が大きくなります。そのため、「抵抗が大きい=燃費が悪くなる」というデメリットが生まれます。
■ブレーキの効きが悪くなる
スタッドレスタイヤの柔らかいゴムは、ブレーキング時に変形するため、夏タイヤに比べて制動距離が長くなります。トレッドに入った、細かい溝(サイプ)が変形することが理由です。
■ハンドリング性能の悪化
柔らかいゴムを使用したスタッドレスタイヤは、ブレーキング時だけでなく、コーナリング時の性能も低下させます。スタッドレスタイヤ使用時の、急なハンドル操作は事故の原因になるため、注意しましょう。
■タイヤの寿命が短くなる
寒冷地での使用を目的としているため、夏場の炎天下で使用すると、必要以上に柔らかくなります。摩耗しやすい状態で走行を続けると、タイヤ自体の寿命が短くなります。
■ハイドロプレーニング現象が起きやすい
スタッドレスタイヤは、雨天走行時や、水が溜まった路面を走行する際に注意が必要です。スタッドレスタイヤ特有のゴムの柔らかさが、細かい溝に入り込んだ水圧に負けてしまい、水膜を掻き出す性能を弱めます。その結果、ハイドロプレーニング現象を起こすことがあります。
■バーストする危険性がある
真夏の炎天下で、変形しやすいスタッドレスタイヤを使用すると、バーストする可能性があります。特に高速走行時は、夏タイヤ以上に空気圧チェックを入念に行いましょう。
リスクを考えて、冬以外のスタッドレスタイヤの使用は避けよう
夏場に、スタッドレスタイヤを使用するデメリットを考えると、季節ごとのタイヤ交換は必須といえます。しかし、車を買い替える予定があったり、予算の都合上、やむを得ず夏場にスタッドレスタイヤを使用するケースもあります。次の項では、どうしても、冬以外にスタッドレスタイヤを使用したいときの注意点を解説します。
■夏場にスタッドレスタイヤを使用するときの注意点とは?
諸事情により、夏でもスタッドレスタイヤを使用する場合は、先ほどのデメリットを考慮した運転を心掛けましょう。「急アクセル」「急ハンドル」を避け、日頃から安全運転を意識すれば、リスクを最小限に抑えられます。夏場のスタッドレスタイヤの使用は、あくまでやむを得ない場合と考え、タイヤ交換する手間を惜しまないことが大切です。
そもそも、スタッドレスタイヤにはどんな特徴があるの?
スタッドレスタイヤは、積雪のある冬季に使用を限定したタイヤです。雪道や凍結した路面でも滑りにくく、安全に走行できるよう、タイヤに工夫が施されています。スタッドレスタイヤの特徴を知れば、夏場にスタッドレスタイヤの使用が適さない理由が見えてきます。
■タイヤのゴムが低温でも硬くなりにくい
柔らかいゴムを使用することで、低温でも硬化せず、雪道や凍結した路面でも安定して走行できます。雪道でのブレーキング時やコーナリング時に、夏タイヤのように硬いタイヤを使っていると、スリップして大変危険です。
■トレッドの溝が深く、細かいサイプ(溝)が刻まれている
夏タイヤと比べると、溝が深く、ブロック部にサイプという細かい溝が刻み込まれています。滑りやすい雪道や凍結した路面でも、タイヤをしなやかに変形させて、高いグリップ力を発揮します。例えるなら、雪道をビジネスシューズで歩くか、靴底の溝が深いスノーブーツで歩くかの違いです。
まとめ
夏場にスタッドレスタイヤを使用するメリットは、残念ながら一つもありません。タイヤの性能を最大限に発揮するためにも、季節ごとに夏タイヤとスタッドレスタイヤを使い分けましょう。コスモのサービスステーションでは、さまざまな車種に対応したタイヤを取り扱っています。ぜひとも、タイヤのことならコスモのサービスステーションにご相談ください。
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筆者プロフィール
moto
1986年生まれ。自動車整備学校を卒業後、板金屋を経て地元の整備工場で整備士として働く。車業界歴は7年。国内外の乗用車からカスタムカーまで、様々な車を整備してきた知識と経験が強み。整備士を離れた現在は、ライターとして中古車の選び方などを中心にメディアへ出稿。週末は子供と一緒に釣りやアウトドアを楽しんでいます。