カーリースには、年間走行距離の制限があります

■カーリースの契約時に年間走行距離を設定する
カーリースを利用するときは、注意しなければならないことがあります。それは、カーリースには年間走行距離に制限があるということ。年間走行距離はカーリースの契約時に設定します。例えば、「コスモMyカーリース」の場合は、年間走行距離を「6000km」「12000km」「18000km」の3つの中から選ぶことになっています。

ところで、年間走行距離は毎月の利用料金に影響するのでしょうか。試しに、コスモMyカーリースで見積もりをとってみました。同じ車種、同じ契約期間、同じ内容のメンテナンスパックで年間走行距離のみを変更して見積もりを計算したところ、年間走行距離が長くなるほど利用料金が高くなっていました。例えば、ある車種の場合、年間走行距離が「6000km」であれば毎月の料金は33440円、「12000km」であれば33770円、「18000km」であれば34980円となっていました。
車種などによって異なりますが、年間走行距離が「6000km」、「12000km」、「18000km」と増えるごとに、それぞれ数％ずつ利用料金が高くなっているようです。

■どうして年間走行距離によって毎月の料金が変わるの？
どうして年間走行距離によって毎月のカーリースの利用料金は変わるのでしょうか。
そもそも、カーリースの利用料金は、車の本体代金から契約終了時の「残価」を差し引いた金額をもとに算出されていましたよね。つまり、契約終了時の「残価」が下がると、支払う料金が増えるのです。

車は、使えば使うほど消耗していきます。車の年間走行距離が増えるということは、それだけ車が消耗するということ。これまでに車を売却したことのある方ならご存じかもしれませんが、同じ車種、同じ年式の車でも、走行距離の少ない車ほど高く売れる傾向があります。一方、年間走行距離の長い車は契約終了時の「残価」が下がってしまいます。
しかも、年間走行距離が長い車は、タイヤなどさまざまな部品の消耗も早いので、車のメンテナンスにもお金がかかります。こうして考えてみると、年間走行距離が長いほどカーリースの毎月の利用料金が高くなるのは当然のことのような気がしますね。

■年間走行距離をオーバーするとどうなる？
カーリースを利用していて、もし年間走行距離をオーバーしてしまったらどうなるのでしょうか。何か罰則はあるのでしょうか。

調べてみたところ、契約時に設定した年間走行距離を上回ってしまった場合は、追加料金の支払いが必要になるとのことでした。その金額は、リース会社によって異なりますが、1kmごとに3～10円程度というのが相場のようです。契約時に、「年間走行距離をオーバーしたときの追加料金はいくらなのか」ということをしっかりと確認しておきましょう。

■年間走行距離の制限のないものもある
「車に乗る機会が多いので、設定した年間走行距離をオーバーする可能性がある」「年間走行距離を気にせずに車に乗りたい」という人もいるでしょう。実は、リース会社の中には、年間走行距離の制限がないカーリースを扱っているものもあります。

ただし、年間走行距離の制限がないカーリースは毎月の利用料金が高くなる傾向があるようです。お得にカーリースを利用したいのであれば、年間走行距離に制限のあるものを利用するほうがおすすめですよ。

■年間走行距離を決める目安は？
自分に合った年間走行距離は、どうやって決めるとよいでしょうか。私の場合、車を使用するのは、主に通勤と買い物です。通勤は、往復で約20km、買い物は近所のスーパーやドラッグストアなどがほとんどで、ときどき郊外のショッピングモールに行くため、1カ月あたりの走行距離は600～800km程度といったところでしょうか。そのため、私の場合は年間走行距離を「12000km」にするとよさそうです。

「近所に買い物に行くときくらいしか車を使わない」という人であれば、年間走行距離は「6000km」でも充分かもしれません。一方、通勤距離が長い人や、長距離のドライブによく出かけるという人は、年間走行距離を「18000km」と長めに設定しておくと安心です。

imarina

ライター。1987年生まれ。広島大学教育学部卒業後、教育現場で勤務しながらフリーライターとして旅行、暮らしなどに関する執筆を手がける。
趣味は旅行とアウトドア。現在の愛車は、トヨタ・パッソ。