自動車保険は中断できます。そのメリットと方法は？

■自動車保険を解約すると、等級もリセットされてしまう
「引っ越しが決まり、新しい居住地では車が不要になった」「病気やケガで車の運転ができなくなった」など、さまざまな理由で車を手放すことになる方もいらっしゃるでしょう。車を手放すということは、それまで契約していた自動車保険も不要になります。ですが、車を手放すことを決めたからといって、自動車保険を解約するのはちょっと待ってください。自動車保険を解約してしまうと、これまで積み上げてきた「等級」もリセットされてしまうのです。

そもそも、「等級」とはどのようなものなのでしょうか。自動車保険の等級とは、「ノンフリート等級制度」における事故リスクの高さの区分のことをいいます。1～20等級までの20段階で、最初に契約したときは6等級からスタートします。もし、1年間無事故で保険を使わなければ、翌年は等級が1ランクアップ。逆に、事故で保険金の支払いを受けた場合は1～3等級ダウンします。

等級が上がるほど、自動車保険の保険料は安くなります。保険料の割引率は、保険会社によって異なりますが、ある保険会社の場合、14等級だと保険料が50％割引、20等級だと60％以上も割引になるといいます。ノンフリート等級制度では、事故のリスクの高い人の保険料は高く、事故リスクの低い人の保険料を安くする、合理的なしくみになっているのですね。

■解約でなく中断なら、等級がキープできる
自動車保険を解約すると、等級もリセットされてしまうとのことでした。例えば、最高ランクの20等級の人でも、一度保険を解約すると、次に契約するときはまた6等級からのスタートになってしまうということです。等級が下がるということは、保険料が高くなるということ。それってなんだかもったいないですよね。

そのため、「車を一度手放すけれど、いつかまた再び車に乗るようになるかもしれない」という場合は、自動車保険を「解約」でなく「中断」するのがおすすめ。実は、自動車保険は中断が可能で、中断であれば等級をそのまま引き継ぐことができるんです。車を一時的に手放すときは、ぜひ自動車保険の中断を活用してみてください。

■中断できる期間は決まっている？
自動車保険の中断ができる期間にはルールがあります。中断できる期間は、中断日の翌日から10年間です。その期間内に再び自動車保険を契約する場合は、元の等級を引き継ぐことができます。もし、中断後10年間経過してしまったら、中断の効果はなくなり、自動車保険の新規契約時と同様に6等級からのスタートとなるのでご注意ください。

■中断後は、別の保険会社への乗り換えもOK
自動車保険の等級は、保険会社が変わっても引き継ぎできるってご存じでしょうか。以前は私も、「保険会社の乗り換えを考えたいけれど、現在の等級が高いからもったいない」と悩んでいた時期がありました。そんなとき、自動車保険に詳しい知人が「保険会社を乗り換えても、等級はそのままだよ」と教えてくれました。

これは、一度自動車保険を中断した場合でも同じです。中断後、以前とは違う保険会社で契約しても、等級は中断前のものを引き継ぎできます。

自動車保険を解約すると、積み上げてきた等級もリセットされてしまいます。ですが、中断であれば、10年間これまでの等級を引き継ぐことができます。車を手放すことが決まったら、いつか再び車に乗るときのために、ぜひ自動車保険の中断証明書の発行手続きを行いましょう。

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