契約の途中でもOK？自動車保険を解約する方法と注意点

満期・途中解約いずれも、複雑な手続きや改めて入手すべき書類などはありません。しかし、注意しておくべきポイントがいくつかあります。

■満期解約の場合

保険料を大きく左右する「ノンフリート等級」は、1年の契約期間を事故なしで全うすると、継続・乗り換えに関わらず1等級UPします。ところが、「保険満期日の翌日から7日以内」を超えて引き継ぐ場合、等級UPどころかカウントがリセットされてしまいます。

例えば、現在「15等級」で大きな割引が適用されていても、新契約が解約から8日経過すると、等級がスタートである「6等級」にダウンし、保険料が大幅に高くなるのです。そのため、自動車保険の満期が近づいたら現契約保険の更新、もしくは乗り換える保険の選定と、新規契約手続き早めに行うことが大切です。

■中途解約の場合

一方、中途解約の場合はさらに注意点が増えてきます。自動車保険を中途解約すると、契約日から解約日までの保険料を差し引いた残額が返還される、「解約返戻金（解約払戻金）」という制度があります。年払いを選択した場合に適用されますが、月割計算による残額が、全て返還されるわけではありません。多くの損保会社では、既経過期間に応じた、「短期料率」が設定されています。例えば、6ヶ月までの短期料率が「70％」の場合、「年間保険料×（100-70=30％）」が返還保険料となります。つまり、残存期間の割に返還額がかなり目減りするため、中途解約は結果的に損をするケースが多いので注意しましょう。

一方、月払いの場合は解約完了の翌月から支払いがストップします。そのため、トータルの保険料は割高になりますが、途中解約に伴う料金的デメリットはそれほど発生しません。ただし、保険開始日が4月10日だった場合、毎月10日までに解約手続きをしないと、1ヶ月分の保険料支払い義務が発生するため、早めに手続きするよう注意しましょう。

なお、中途解約も等級引継ぎの猶予期間は満期解約と同じなため、車を引き続き乗る場合は、新契約を速やかに締結する必要があります。また、いずれの場合も10年間等級引継ぎ期間を維持できる、「中断証明書」を解約時に取得可能です。車を一時的に手放す時や、海外赴任などの際に役立つためサイド車を使用する否か関わらず、入手しておくと安心です。

仲野健太

1976年生まれ、福岡県出身。地元ガソリンスタンドで副店長を務めていた際、3級整備士取得。同社指定工場で上長をサポートしつつ整備技術を高め、2級整備士を目指していたものの、会社がガソリンスタンド事業から撤退したため退職。その後つてを頼って中古車販売店に就職。その後縁があり再びガソリンスタンド会社に就職し、その時ふとしたことからライターの仕事と出会う。フリーライター歴は約5年。本格的な整備はもちろん、買取業者比較やメンテナンス、おすすめカー用品紹介やカーローン解説など、多岐にわたる関連記事を手掛けている。ユーザー目線のわかりやすさや、実体験に基づくオリジナリティの高さに定評がある。