タイヤ販売・取付
2020.09.28
オシャレは足元から!プロが教えるタイヤの正しい洗い方
コツを抑えてオシャレに乗ろう!タイヤの洗い方
タイヤの正しい洗い方を詳しく知らない、という方は案外多いのではないでしょうか。今回は、数えきれないほどのタイヤをピカピカにしてきた筆者が、正しいタイヤの洗い方の「イロハ」を伝授いたします。
タイヤの洗い方にこだわるべき理由
今回、タイヤの洗い方というピンポイントなテーマを取り上げたのは、タイヤの洗い方のこだわるべき、「3つの理由」が存在するからです。
■タイヤは車の中で最も汚れが付着しやすく取れにくい
走行面と常に接しているタイヤは、車の中で最も汚れやすいパーツです。常に汚れていると言って過言ではなく、付着した汚れが取れにくいのも厄介です。タイヤの付着する汚れは多種多様で、砂・泥・ホコリ辺りは比較的簡単に落とせます。一方、オイルやブレーキダストは除去しづらいうえ、長期間放置するとタイヤを痛める原因となります。
■タイヤがキレイだと愛車の見栄えが数段UPする
プロは後輩などに洗車を指導する際、「白いところは白く、黒いところは黒くが基本!」と教えます。靴が磨かれていると引き締まって凛々しく見えるように、タイヤとホイールがキレイなら、少々ボディに汚れが残っていてもあまり気にならないほどです。特に、コーティングを施工している場合は、全体的な見栄えがUPします。
■正しい洗い方をマスターすればタイヤの寿命も伸びる可能性あり!
タイヤに付着したオイルやブレーキダストは、ゴムの変質やサビ発生の原因となります。長期間放置するとタイヤを痛めると述べたのはそのためですが、逆に正しい洗い方で速やかに除去すれば、タイヤの寿命を延ばすことも可能です。また、タイヤのゴムには劣化を防ぐ保護剤が塗布、あるいは配合されています。そのため、間違った方法で頻繁に洗うと保護剤が剥げ落ち、劣化スピードが速まる恐れがあります。つまり、お手入れの回数を増やすのではなく、正しい洗い方を身に付け適切な頻度を守るのが、タイヤ洗いの「極意」となります。
長持ちの秘訣!タイヤの正しい洗い方と注意点
さてここからが本題。タイヤの正しい洗い方を手順に沿って詳しく解説いたします。加えてタイヤメンテナンスの「肝」となる、洗浄時の注意点にも触れておきます。
■まずはタイヤ洗浄時に準備するものを整理
タイヤを洗う際、それほどたくさんの道具やケミカルは必要なりません。ホース・スポンジ(ブラシ)・タオル(クロス)があれば十分です。そして可能な限り洗剤は使わず、水orぬるま湯洗いが基本となります。頑固な汚れを落としきれない場合は、ゴムを痛めにくい弱アルカリ性の「タイヤ専用クリーナー」を使うようにしましょう。
また、艶を与えるタイヤワックスですが、「油性タイプ」の商品はタイヤの劣化を早めるため、多用しない方が無難。マメにお手入れするのであれば耐久性に劣るものの、タイヤを痛めにくい「水性タイプ」をチョイスしましょう。
■タイヤの洗い方・手順1 タイヤハウスの泥などを落とす
まず最初に、タイヤハウスに付着した泥などを落とす必要があります。見えづらい場所にも良く付着しており、逃すとキレイになったタイヤがすぐに汚れて台無しです。ホースで水圧を強くしたり、使い古しのブラシ(タイヤとの共用NG)を使って、全て落としきりましょう。
■タイヤの洗い方・手順2 タイヤの泥・汚れを落とす
次に、強めの水流でタイヤに付いた泥・汚れを、スポンジ・ブラシで軽くブラッシングしながら流し落としましょう。ブラッシングはまず全体から始め、サイド・ドレッド面へ移っていくと効率的です。大半の汚れはこの時点で除去できますが、オイル・ブレーキダストは落とせない可能性があります。その場合は、ぬるま湯→タイヤ専用クリーナーの順で使用し、しっかり落としきるようにしましょう。
■タイヤの洗い方・手順3 ホイール洗い&全体のすすぎ
タイヤとホイールの洗浄は、同時に行うのがセオリーです。スポークが入り組んでいるアルミホイールを装着している場合は細かい箇所を洗える、「ホイール専用スポンジ(ブラシ)」を活用すると良いでしょう。また、洗剤を使用する場合は、タイヤ専用クリーナーを併用して構いません。また、クリーナーのすすぎ残しがあるとタイヤの劣化に繋がるため、しっかりと流しきるようにしましょう。
■タイヤの洗い方・手順4 タオル・クロスで水分を拭き取る
すすぎ終わったらタイヤ・ホイールの残った水分を、吸水力に優れるマイクロファイバー製のタオルなどで拭き取りましょう。水分が残っていると汚れが付着しやすくなるため、タオルを三角に折るなどして、細かいところもしっかり拭き取るべきです。
■タイヤの洗い方・手順5 仕上げ
最後は好みになりますが、タイヤワックスで艶を出すと黒が映え、愛車全体の深みと統一感が出ます。タイヤワックスは艶出しと同時にコーティング効果があるため、汚れが付きにくくなるのもメリットです。ただし、塗りすぎると走行中飛び散って、ボディに頑固な汚れが付着する可能性があります。また、サイド・ドレッド面に塗布するとスリップの原因になるため、絶対に塗布しないようにしましょう。
■重要!タイヤを洗うときの注意点
水・ぬるま湯で汚れがキレイに落ちる場合は、むやみにシャンプーを使用しないほうが賢明です。特に、洗浄力の強いアルカリ性の洗剤は、ゴムを溶かす危険があるため注意が必要です。また、ボディワックスのように「タイヤ専用ではないワックス」を塗布すると、ゴムが白く変色したり劣化したりする可能性があるため、使用しないようにしましょう。
まとめ
解説したとおり、タイヤの洗い方は特に特別なアイテムや、難しい作業も必要ありません。しかし、正しいタイヤの洗い方をマスターすれば、自然な黒さが復活し愛車のイメージがグンとUPします。皆さんも今回の解説を参考に、「足元のオシャレ」にチャレンジしてみましょう。
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筆者プロフィール
仲野健太
1976年生まれ、福岡県出身。地元ガソリンスタンドで副店長を務めていた際、3級整備士取得。同社指定工場で上長をサポートしつつ整備技術を高め、2級整備士を目指していたものの、会社がガソリンスタンド事業から撤退したため退職。その後つてを頼って中古車販売店に就職。その後縁があり再びガソリンスタンド会社に就職し、その時ふとしたことからライターの仕事と出会う。フリーライター歴は約5年。本格的な整備はもちろん、買取業者比較やメンテナンス、おすすめカー用品紹介やカーローン解説など、多岐にわたる関連記事を手掛けている。ユーザー目線のわかりやすさや、実体験に基づくオリジナリティの高さに定評がある。